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Research 林 Jeremy Loop Roots
林 靖典 ポートレート 林 靖典 | ヨォルング語研究者・イダキ奏者

オーストラリア在住ヨォルング語研究者 林靖典の「アーネム・ランド単身赴任」

5. Djawaaryun...「疲れたなぁ」

■やけ喰いのわけ

4月11日。今日もめちゃくちゃ暑い。外に出る気が全くしないので、家の中で昼過ぎまでパソコン作業。せっかくミリンギンビに来ているのにもったいないと感じたけど、この暑さじゃヨォルングも皆部屋でごろごろとDVDみてるはずだ。その後パソコン、カメラ、ビデオカメラ、三脚、書類関係の重装備をしてコミュニティー内を2周くらいしたが、何も起こらない.......。

ミリンギンビのアートセンター
ミリンギンビのアートセンター。一番財布が緩む場所。

暑さと疲れと体の痒みで少し悲観的になってしまった。汗疹が関節にでき始めた。なんでこんな遠くに来てまで、一人で歩きまわっているんやろか?自分の気持ちがヨォルングに伝わってるのか?伝わっていたら、もっと協力的でもいいんじゃないか?等々.......

いつもは熱い気持ちで乗り切っている事が今日は精神的に負担になってきた。少し嫌になって、テイクアウトの店でお腹も減っていないのにビーフパイとコーラを購入し、やけ食い。食べてる最中にタバコ頂戴と言われるのも嫌なので、ずっと周りを無視して下を向いて食べ続けた…すごく空しいな。

■コミュニティーでワイヤレス!

気を取り戻すことはできなかったけど、夕方から公園で特にアリス・スプリングスや遠方から来てくれた人の為に無料のバーベキューを振舞うことになっていたので、ソーセージとステーキを大量に焼くのを手伝った。もちろん次から次へと人が集まってくるので、バーベキューコンロでは間に合わず、焚き火に上に巨大な鉄板を引いて、その上でジュージューする事に。

そろそろ肉の匂いにも飽きてきた頃、隙を見て抜け出し、インターネットが使える集会場へ。集会場は一時的に遠方からの人々の仮住まいになっているので、わいわいと賑やかで新しい交流もできて楽しい。中にはパソコンを持参している人も居て、なにやら隅っこでインターネットをやっていた。あれ?なんでケーブル無いのにインターネットできるんやろ?と思って、近づき、接続環境をチェックすると、なんと集会場にはワイヤレス網が走っていて誰でも使えるようになっていた!

そのパソコンは日本語が読めるものだったので、少し使わせてもらい、久々に日本語のメールをチェックすると、東京からイダキ奏者の方がダーウィンに今日到着してはるらしい。会った事はないけど、大阪のLoopRootsのメンバーいわく、かなりヨォルング音らしく、僕のダーウィン生活に花が咲くよみたいなことを言われたので、再来週にダーウィンに帰ってからすぐ連絡してみよう。

■イダキのカッティング・スポット「ラープマ」

そういえば、今回はブングルでイダキ吹いて以来、吹いてないなあ。来週にでもイダキカッティングに出かけることができるように話をしておこう。ミリンギンビから見て大陸と反対側にラープマという場所があり、そこでいい木が取れるみたい。未だ行ったことが無いので、行きたい場所のひとつとしてメモに残してある。去年甥から譲ってもらったイダキはかなり使い古されていて、赤と黒のムカデ色で少しグロテスクだけど、すごくいい笛だ。その笛もラープマで切ったと聞いたので、今回は是非行きたい。

そんな気持ちでコミュニティー3周目をしていると教会の裏からポイズンカズンにあたるイダキ奏者が歩いてきて、

「たぶん明日か明後日にラープマにイダキ作りに行くよ。一緒に来る?」

「こないだ作った笛はすごく良かったけど、お葬式で使われてから何処に行ったか分からないんだ」と。

びっくりする程奇跡的なタイミングで少し怖いけど、絶対付いていきます。

ぼくのプライベート・イダキ2本
ムカデ色イダキとグパプユングのイダキ。

朝早くから家の前で待ち伏せします。実は去年も彼から同じ誘いを受けたときは、数日間彼の家に足しげく通い、ラープマの旅を待っていたが、結局実現しなかった。今回こそは行きたい!昨日から夜になると居候先の義兄がエイリアンを退治するシミュレーションゲームにはまっていて、一人でかなり白熱している。見ていても操作が複雑すぎて大変そうだけど、すごく凝ったゲームだ。一回やらせてもらったけど、あっという間にエイリアンに基地を制圧されて終了。

コミュニティーでも色んな時間があって楽しい。

次回は来月に5話分アップ予定!

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